そんなわたしも好きになる (第14回)

自己肯定感を高めましょう。自己肯定感が大事と言われる昨今ですが、自己肯定感とはなんでしょう?

ある日の出来事

「ちょっと学校行きたくない…」と、冬の寒さと苦手な戦いごっこにすっかり意気消沈し自学行きたくない期がやってきた自由な学校に通う娘(小1)。焦る気持ちと不安でつい、寒さぐらいでなんでよ!将来大丈夫か。と言いたくなる気持ちをグッと堪えつつ、父はスタッフとして自学に毎日通い、娘はお休みをするというなんとももどかしい12月。しばらく充電期間と思い一緒に過ごしていると、ある時「あのね。ポニーのフラッターシャイが大好きなの」よくよく聞いてみると、最近見つけたアニメ「マイリトルポニー」のキャラクターとのこと。

つづけて「その子はね。おくびょうで、恥ずかしがり屋で、自分の影も怖がるぐらい怖がりで、でも、優しくて、動物が好きで、そんなところが自分と似ていてるから好きなの」と、まるで自分の仲間を見つけたようにキラキラした目で伝えてきてくれた。僕は思わず運転中にも関わらず「そうかぁ。そうかぁ。」とニヤニヤが止まらなかった。

自分の好きな部分を伸ばそう。得意を増やそう。いいね。をたくさん集める世の中です。それだけでは自己肯定感は育たないのです。僕はポジティブな自分と同じぐらい、ネガティブな自分も知り受容して生きていくことこそが自己肯定感と考えてます。

「良い私、好きな私、できる僕」だけだと「悪い私、嫌いな私、できない僕」を、変えようとする自分を否定する戦いになってしまいまいます。裏を返せば相手の今を否定して変える戦いになってしまいます。これは自分との関係、夫婦関係、交友関係、親子関係、スタッフとの関係でも起きてしまうものです。相手を変える戦いの連鎖からの脱却をしていきたいのです。

夏は暑いし、冬はただただ寒い。ドッチボールの人数もなかなかあつまらなくて思い通りにならないことばかり。楽しいと同じくらい大変なこともある。不自由さばかりの日々。それでも、その中で自分と他人と自然の中で自分らしさを掘り下げていくことが自由な学校の学びだと僕は考える。楽しい、嬉しいと同じくらい、困った、わからない、悲しいにも寄り添って一緒に気づいていくことが、人が自分らしく生きていく上で必要だと考える。自分の今を知り、受け入れたとき、自然と次の一歩を踏み出す力は誰もが持っていると僕は信じている。

2022年にっぽり